本記事では、交通誘導員の仕事内容や年収・必要な資格などを紹介します。交通誘導員について理解を深め、警備員への就活をスムーズに進めましょう。
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目次
交通誘導員とは「交通誘導を行う人」の総称
交通誘導員は、道路工事や建築現場・駐車場などで車両や歩行者を誘導し、双方の安全を守る仕事です。また、イベントやショッピングモールなど、多くの人が集まる場所で歩行者を誘導することもあります。
交通誘導員が誘導を行うことで、歩行者と車両の接触事故や、トラブルを回避できる可能性が上がります。安全に道路を通行するために、欠かせない存在です。
警備員と誘導員の違い
警備員と交通誘導員は混同されがちですが、従事する仕事の範囲が異なります。
警備員とは「他人の需要に応じて人の生命、身体、財産等の侵害の発生を警戒し防止する業務」である警備業務に従事する人の総称です。4種類ある警備業務のいずれかに従事する人は、まとめて警備員と呼ばれます。
- 施設警備(1号業務)
- 交通誘導警備(2号業務)
- 運搬警備(3号業務)
- 身辺警備(4号業務)
誘導員とは「交通誘導警備」に従事する人のことです。警備業務の分類では、2号業務の従事者が誘導員となります。
交通整理と誘導員の違い
交通整理とは、警察官や交通巡視員が行う交通誘導のことです。交通整理での指示は、道路交通法第6条で強制力をもつと決められているため、無視すると法律違反となります。
一方、警備員や誘導員の行う交通誘導は、警備業務の一部です。交通整理のように法的強制力をもたないため、あくまで「お願い」する形となります。
交通誘導員の指示を無視しても、法律違反にはなりません。しかし、交通誘導は交通量の多い道路や出入口で行われているため、極力従うことが推奨されています。
交通誘導警備の仕事内容
交通誘導警備員の主な仕事は、次のとおりです。
- 車両・通行人の誘導
- 利用車線数のコントロール
- 交通規制
- 駐車場への誘導
- 駐車場の巡回
工事現場では、交通誘導警備員が車両や歩行者の誘導を担当します。現場の出入口を通行する一般の自動車や歩行者はもちろん、大型工事車両の誘導も必要です。
また、道路の片側車線を封鎖して工事を行う場合は、左右から来た自動車を交互に通すことになります。交通規制の看板を設置するケースもあるため、現場に入る際は、仕事の対象か確認をしましょう。
ショッピングモールやイベント会場の駐車場では、空きスペースへの誘導や巡回を行います。駐車や出庫をスムーズにしたり、駐車場内での盗難・事故がないか見回ったりして、安全を保つのも交通誘導警備員の役割です。
交通誘導の現場には資格保有者1人以上の配置が必要
交通誘導の現場には、1人以上の有資格者を配置することが義務付けられています。ただし、有資格者の配置が必須なのは、次の条件に当てはまる場合のみです。
- 高速道路・一般道路上で警備業務を行う場合
- 公安委員会が危険防止のため、警備業務が必要と判断した場合
交通誘導に関する資格を取得することで、現場責任者を任されるようになるため、人材としての価値が上がります。資格手当を受け取れたり、キャリアアップにつながったりすることもあるので、積極的に取得するのがおすすめです。
交通誘導員の資格|交通誘導警備業務検定1級・2級
交通誘導に関わる資格は「交通誘導警備業務検定(1級・2級)」です。2級では基礎的な知識を身に着けた証明、1級はより専門的な知識と実践経験を身に着けた人材である証明ができます。
1級・2級の取得条件は、次のとおりです。
資格区分 | 取得条件 |
2級 | ・特別講習を受講(省略可能)
・修了考査(筆記・実技)に合格 |
1級 | ・1年以上の実務経験
・検定試験(筆記・実技)に合格 |
1級を受講するには、1年以上の実務経験が必要なので、最初は2級の取得を目指しましょう。
交通誘導警備業務2級の試験内容
交通誘導警備業務2級の試験を受けるには「特別講習(学科講習7時限・実技講習5時限)」を受ける必要があります(1時限は50分)。
試験内容は筆記と実技に分けられ、内容は次のとおりです。
区分 | 試験内容 | 詳細 |
筆記 | ・基礎的な内容
・法令 ・車両誘導 ・事故発生時の対応 |
出題形式:5択形式・計20問
試験時間:60分 |
実技 | ・車両誘導
・応急処置 |
– |
講習を飛ばして、検定試験だけを受けることも可能ですが、定員が決まっているため合格率は低めです。特別な事情がない限りは、特別講習を受けるとよいでしょう。
交通誘導警備2級の資格を取りたいと思ったら、関連記事でチェックするのがおすすめです。
交通誘導警備員の給料・年収
交通誘導警備員の日給は、募集を出している警備会社や勤務時間によって異なります。実際の案件を見ると、日給10,000円(実働8時間)の案件から19,500円の案件(夜勤、休憩8時間)までさまざまです。年収に換算すると、約240〜300万円程度となります。
給与を上げたい場合は、資格を取得したり正社員登用を狙ったりするとよいでしょう。有資格者となって隊長警備を任されれば、年収が約50万円アップします。また、キャリアアップして管理職となった場合の年収は、340万円程度です。
警備員の給与には、男女差があります。男性は女性より、平均月4万円ほど高い計算です。(※)しかし、今後、女性専用の施設やマンション・イベントの数が増えれば、女性警備員の需要が上がって給与差がなくなる可能性もあります。
(※)参考:独立行政法人統計センター「令和5年賃金構造基本統計調査」
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交通誘導警備員の活躍場所
交通誘導警備員が配属される現場は、次の4か所です。
- 道路工事
- 建設現場
- 駐車場
- イベント会場
各場所の業務内容について、それぞれ解説します。
道路工事
道路工事は、次の2パターンがあります。
- 片側交互通行
- 通行止め
片側交互通行とは、片方の車線を封鎖し、もう片方の車線で自動車を交互に通す方法です。最低2人の警備員が常駐し、それぞれの方向から接近する自動車に合図を出して、停止・進行を促します。
一方の通行止めは、完全に道路をふさいで工事を行うパターンです。看板を設置したり呼びかけたりして、歩行者や自動車が入り込まないようにします。また、侵入した自動車には事情を説明して、迂回してもらう対応も必要です。
建設現場
建設現場は建物の敷地内であり、道路上ではないため、交通誘導警備員の配置が必須ではありません。しかし、大型車両や重機が出入りする際、誘導がなければ事故に発展する恐れもあります。また、学校や幼稚園などが近隣にある場合、子どもが建設現場に入り込むため、危険です。
そのような事態に備えて、建設現場にも交通誘導員が配置されます。工事車両が出入りする際の事故・トラブルを防いだり、人や自動車が建設現場に入り込んだりする事態を防げるでしょう。
駐車場
ショッピングモールやイベント会場など、大規模な駐車場では警備員の誘導・巡回が欠かせません。警備員は、駐車場の出入口で停止・進行の合図をしたり、空いているスペースまで自動車を誘導したりします。
また、駐車場内で起こる事故・トラブルに備えて、見回りをするのも仕事です。車上荒らしや盗難といったトラブルへの対処はもちろん、社内に取り残された乳幼児がいないか、チェックする役割も担っています。
駐車場での警備業務については、関連記事でチェックしてみてください。
イベント会場
イベント会場での警備は、雑踏警備とも呼ばれます。大勢の来場者を案内・誘導し、混雑緩和や転倒事故を防ぐのが役目です。加えて、入場規制や移動先の指示、迷子・体調不良者の保護も行います。
会場周辺も混雑するため、自動車や歩行者の誘導も必要です。駐車場や入口を案内し、スムーズに移動できるよう誘導します。また、傷病者や急病人が出たり、事故が起こったりした場合の対処も警備員の仕事です。
交通誘導警備員が気を付けるべきこと
交通誘導警備員の勤務中は、次のポイントに気を配りましょう。
- 自分の安全を守る
- 集中力を保つ
- 視野を広くもつ
- 体調管理を徹底する
- 丁寧なコミュニケーションを心がける
もっとも大切なのは、自分の安全を守ることです。警備員は自動車の正面や横で合図を出すため、常に危険にさらされます。また、長時間業務を続けていると、誘導がルーティンワークのように感じられ、とっさの事故に対応できません。
自分と車の双方を守るためには、注意力を切らさず、安全なポジションを確保するのが大切です。また、周囲を警戒しながら、状況に応じて行動を変えましょう。
業務に集中するためには、体調管理も大切です。体が動かせても、冷静な判断ができない状態では、役目を果たせません。加えて、警備員の指示は「お願い」の範囲を出ないため、丁寧に応対をすることも心がけましょう。
交通誘導警備の詳しい注意点は、関連記事で紹介しています。
交通誘導警備員に関するよくある質問
交通誘導警備員の仕事で、よくある質問をまとめました。
- 誘導員の配置場所はどこ?
- 国道や県道・高速道路に、誘導員は何人必要?
- 交通誘導員の事故事例はある?
順に回答を見ていきましょう。
誘導員の配置場所はどこ?
交通誘導警備員は、道路工事や駐車場の出入口など、交通量の多い場所に配置されます。誘導を行う際は、次の点に留意して配置場所を決めましょう。
- 自動車の運転手から視認しやすい
- 光を背に受けない
- 現場の状況が十分に把握できる
- 自動車の通行を妨害しない
- 交差点において、内輪差を考慮している
- 作業車両が前進・後退・旋回しても安全である
以上のポイントに注意しながら、安全な位置で誘導を行ってください。
国道や県道・高速道路に、誘導員は何人必要?
国道や県道・高速道路や交通量の多い市街地など、事故・トラブルなどが起きやすい場所には、複数人の交通誘導警備員の配置が必要です。危険な場所で誘導を行う場合は「交通誘導警備業務検定(1級・2級)」の有資格者1名以上を配置しなければなりません。
- 作業を行う範囲が大規模になる場所
- 交通処理が複雑化する場所
- 交通量が多い片側交互通行箇所
とくに、上記のような危険が多い場所には、十分な人員の配置が必要です。
交通誘導員の事故事例はある?
交通誘導警備員の配置される現場は、交通上の危険が多く、事故・トラブルが起こりやすい場所です。事前の予測が不十分だったり、周囲の確認を怠ったりした現場では、交通誘導警備員が負傷した事例もあります。
警備員の事故を避けるには、事前の警備計画作成が必須です。工事現場の責任者から警備計画書を共有してもらい、工事内容や車両の死角などを確認しましょう。警備員本人がリスクヘッジを行い、危険を回避する対応力も求められます。
交通誘導員は車両・歩行者の安全を守る仕事
交通誘導員とは、交通誘導を行う人の総称です。道路工事や建築現場、駐車場など、交通量の多い場所で活躍します。自動車や歩行者を誘導したり、駐車場を巡回したりと、現場によって業務内容はさまざまです。
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