警備員の仕事は男性がメインで働くイメージがあるものの、女性警備員も増えています。そこで今回は、女性が警備員のバイトをするメリット・デメリット、応募する際のポイントについてまとめました。警備員バイトを考えている女性の方は、要チェックです。
目次
女性警備員は増えつつある
少し前まで、警備員は男性の仕事というイメージがあったかもしれませんが、女性のバイトとしてもおすすめです。実際に、女性警備員の雇用状況は年々増加しています。
2023年度(令和5年度)における女性警備員の数は4万975人で、前年度より1,604人の増加です。うち、臨時で働く女性警備員の数は6,523人とわかりました(※)
数字を見てわかるとおり、警備員の仕事は女性にとって珍しいものではなくなってきています。
(※)参考:令和5年における警備業の概況|警察庁生活安全局生活安全企画課P2
女性警備員の割合・比率
女性警備員は全国に4万人ほど在籍しており、全体の割合としては7%です。
【令和5年警備員の男女別状況(警備員総数)】
警備員数 | 58万4,868人 |
男性警備員 | 54万3,893人 |
女性警備員 | 4万,975人 |
女性警備員の割合 | 7.0% |
令和5年における警備業の概況|警察庁生活安全局生活安全企画課を参考に筆者作成
まだまだ男性が多い仕事であるものの、確実に女性警備員の数は増えています。今後、女性警備員の仕事が広まれば、割合も大きくなっていくことでしょう。
女性警備員が求められる理由
近年、女性が警備会社の需要にマッチするといわれているのは、以下の理由からと考えられます。
- 物腰が柔らかいから
- 子どもやお年寄りの相手が上手な人が多いから
- 接しやすい印象があるから
一口に警備といっても仕事内容はさまざまで、女性が活躍できる場面は多くあります。たとえば、施設内・イベント会場の見回りや、利用者の誘導・案内などです。利用者に子どもや高齢者などが多ければ、女性のほうが警戒心をもたれにくく、声もかけやすいでしょう。
また、施設内にある女性用トイレや授乳室などには男性が入れないため、女性警備員が活躍します。物理的な面に加え、警備業では”接しやすさ”が必要な場面も多々あるため、多くの会社で女性警備員が求められています。
女性警備員のバイトにおすすめな仕事内容
先述のように、女性警備員の比率は今後も増えていくと予想されています。これから警備員として働きたいと思う人には、以下の仕事がおすすめです。
【女性警備員のバイトにおすすめの仕事内容】
- 施設警備業務・常駐警備業務
- イベント警備業務
それぞれの仕事内容やおすすめする理由を詳しく解説します。
施設警備・常駐警備業務
女性警備員のバイトにおすすめの仕事として、「施設警備」「常駐警備」業務が挙げられます。
【施設警備・常駐警備の主な仕事内容】
- 施設の入退室管理
- 来訪者への対応
- 巡回
- 監視
- 施錠 など
施設警備・常駐警備業務は、特定の施設に配置され、施設内外の安全を守る役割を担います。施設警備業は勤務時間が安定しているため、家庭との両立がしやすい点がメリットです。屋内での仕事がメインとなるため、気候の影響を受けにくく、体力的な負担も比較的軽い利点もあります。
施設内の巡回や監視カメラのモニタリングなども施設警備員の大切な業務のため、きめ細やかな気配りができる女性におすすめです。施設警備の詳しい業務について知りたい方は、下記の記事もあわせて読んでみてください。
警備求人を専門に扱う『ケイサーチ!』では、全国各地にある施設警備求人を掲載しています。この機会にぜひご活用ください。
イベント警備業務
続いておすすめできる仕事は、イベント警備業務です。イベント警備は「雑踏警備」とも呼ばれており、イベント会場や花火大会といった多くの人が集まる場所で、雑踏事故や混乱が起きないように警備や誘導を行います。
【イベント警備の主な仕事内容】
- お客様の会場への出入管理
- 会場や駐車場での誘導
- イベント中の巡回 など
イベント警備は、混乱が起きないよう細やかな心配りが必要な場面が多くあります。大勢の人が集まるなかで、気分が優れない人も出てくるでしょう。具合が悪い人への優しい声かけや誘導が求められる点から、物腰が柔らかい女性はイベント警備業務に適しているといえます。
『ケイサーチ!』ではイベント警備の求人も扱っていますので、ぜひチェックしてみてください。
女性警備員のアルバイトとして働く5つのメリット
女性警備員のアルバイトとして働くメリットは多くあります。
【女性警備員のアルバイトとして働く5つのメリット】
- 資格不要で働ける
- 柔軟にシフトを組める
- 終わってすぐに直帰できるケースがある
- 週払い日払いが多い
- 人間関係がさっぱりしている
メリットを知って、警備員がご自身の理想の働き方にあっている職種か確認してみましょう。
メリット1| 資格不要で働ける
警備員のバイトには、とくに必要な資格がありません。警備業法で定められている「警備員の欠格事由」に該当していなければ、未経験でもスタートできます。
【警備員の欠格事由】
- 18歳未満
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ていない
- 過去に禁固以上の刑または警備業法の規定に違反し罰金刑となり、処分から5年以上経過していない
- 直近5年間で警備業法に違反した
- 集団・または常習的に警備業の規則に掲げる罪にあたる行為を行う恐れがある
- 暴力団員と関わりがある
- アルコールや薬物の中毒者
- 心身に障害を抱え、警備業務を正しく適切に行うのが難しい
上記に該当していなければ、研修を受講後、警備員として働けます。体格や性別の制限もないため、女性でも始めやすいバイトといえるでしょう。
メリット2| 柔軟にシフトを組める
警備員のバイトは、シフトの自由度が高いメリットがあります。
【警備員のバイトのシフト例】
- 日中だけ
- 夜勤だけ
- 特定の曜日だけ など
比較的休みも取りやすく、予定にあわせて仕事を増やしたり減らしたりと自由なシフトを組みやすい点もメリットのひとつです。週に数日だけ働きたい人や、特定の時間帯に集中して働きたい人にとって、無理なく続けられる勤務形態といえるでしょう。
プライベートと仕事のバランスを保ちたいと思っている人は、ぜひ警備員を検討してみてください。
メリット3| 終わってすぐに直帰できる
警備員のアルバイトでは、勤務が終わったあと、すぐに直帰できるケースもあります。仕事後に事務所に寄ることなく勤務場所から自宅へ帰れると、家事やプライベートの予定にすぐ取り掛かれるでしょう。
また、余裕のある人員配置を行い、勤務時間が過ぎたらすぐに次のスタッフと交代できる環境づくりをしている警備会社も多くあります。終業後すぐに帰宅できる働き方は、女性にとって理想的な条件といえるでしょう。
メリット4| 週払い日払いが多い
警備員のアルバイトは、日払いや週払いを採用している会社も多くあります。当日や週ごとに収入が入るため、急な出費が必要なときや生活費の補填への心配を減らせるでしょう。
警備業の即金性の高さは、計画的に資金を管理したい方や、短期間で効率的に稼ぎたい方にとって非常に魅力的です。短期間で収入を得られることで、金銭面での安心感が得られるだけでなく、生活の安定にもつながります。
メリット5| 人間関係がさっぱりしている
女性警備員のアルバイトは、人間関係がさっぱりしている点もメリットのひとつです。
施設内の巡回や利用者の対応など1人で行う仕事も多く、同僚とのやりとりは多くありません。深い交流や複雑な人間関係に煩わされることが少なく、自分のペースで働けます。
そのため、警備員の仕事は人間関係にストレスを感じやすい方や、淡々と仕事を進めたい方に最適といえるでしょう。必要なコミュニケーションは業務上の連絡程度で済むため、対人関係のトラブルが少なく、快適に働けます。
【注意点あり】女性警備員のアルバイトとして働く3つのデメリット
女性警備員のアルバイトには多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。
【女性警備員のアルバイトとして働く3つのデメリット】
- 体力的な負担がかかる
- 夜勤での勤務は生活が不規則になる
- 研修を受ける必要がある
あらかじめデメリットを把握しておくことで、働く際の不安やトラブルを未然に防げます。メリット・デメリットの両方を知って、警備員の仕事ができるかを検討しましょう。
デメリット1| 体力的な負担がかかる
警備員の仕事は、体力的な負担がかかる点がデメリットのひとつです。天候の影響を受ける屋外での勤務や長時間の立ち仕事が続く場合、体に大きな負担がかかり、仕事がつらいと感じる人もいるでしょう。
これまでデスクワークで働いていた人や、体力に自信がない人は、短時間勤務から始めて身体を慣らしていくのがおすすめです。以下の記事では、施設警備業務のひとつ「立哨(りっしょう)」がきついと感じたときの対応を詳しく解説しているので、あわせて読んでみてください。
デメリット2| 夜勤での勤務は生活が不規則になる
女性警備員のアルバイトは、シフトの融通が利く反面、夜勤を担当する場合は生活が不規則になりがちです。
夜勤は日中と逆転した生活リズムを強いられるため、体内時計が狂いやすく、睡眠不足や体調不良を引き起こす可能性があります。また、夜間に働くことで、家族や友人との時間が減り、社会的な孤立感を覚えることもあるでしょう。
警備員の仕事を検討している女性は、夜勤は生活リズムの乱れが生じやすいことを念頭に置いておく必要があります。
デメリット3|研修を受ける必要がある
警備員として働くためには、警備業法により「基本教育」と「業務別教育」をあわせた20時間の研修が必須と定められています。
【基本教育の内容】
- 警備業務実施の基本原則について
- 警備員の資質向上について
- 警備業法ならびに警備業務の適正な実施をするにあたり必要な法令について
- 事故発生時、警察機関への連絡方法や応急処置の方法について
- 護身用具の使用方法および護身方法について
【業務別教育の内容】
- 警備対象施設での盗難や火災防止のための監視、巡回の警備
- 工事現場や駐車場、イベント会場において、人や車両誘導業務
- 貴重品等を運搬する車両の警備
- 人の警備(ボディーガード)
- 機械の警備
研修期間中の給料は支払われますが、待遇は警備会社によってさまざまです。また、研修は学術もあるため、学ぶことに苦手意識のある方は負担を感じるケースもあるでしょう。
しかし、警備業未経験者にとって研修の受講は必須であり、学んだ内容は勤務後にも役立ちます。下記の記事では新人警備員の研修内容について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
女性警備員として働く際のポイント3つ
女性警備員として働く際には、メリット・デメリットを理解したうえで以下のポイントを押さえるのが重要です。
【女性警備員として働く際のポイント3つ】
- 体力面に気を付けておく
- 男性が多い職場であることを認識しておく
- 求人の待遇を確認しておく
あらかじめポイントを理解しておくことで、働きやすさや安全性が向上し、職場でのストレスが軽減されるでしょう。それぞれ解説します。
体力面に気を付けておく
女性警備員として働く際には、体力面に十分気を付ける必要があります。警備業務は立ち仕事や長時間の巡回が多く、体力を消耗しやすいため、普段から体調管理を心がけておきましょう。
定期的なストレッチや適度な運動を取り入れ、体力を維持すれば、疲労やストレスを軽減できます。無理なシフトを避け、適度に休息を取ることも大切です。体力をしっかりと保つことで、安定した業務へつながるでしょう。
男性が多い職場であることを認識しておく
女性警備員が増えてきたといっても、まだまだ警備業界は男性が多い職場であるとの認識は持っておきましょう。世間は「警備業=男性の仕事」というイメージが根強くあるため、女性警備員への意見や扱いに慣れる必要があります。
また、男性の比率が高く、女性が少数派になると、コミュニケーションや職場の雰囲気に違和感を覚えるかもしれません。女性警備員としての仕事がはじまったら、男性同僚との信頼関係を築くことで、働きやすさが向上し、職場でのストレスを減らせるでしょう。
求人の待遇を確認しておく
女性警備員として働く際には、求人の待遇が自分の求める内容とマッチしているかの確認が大切です。
【確認しておくべき求人の待遇】
- 給与
- 勤務時間
- 福利厚生
- シフトの柔軟性
- 交通費支給
- 資格取得支援 など
求人内容が自分のライフスタイルや希望に合致しているかをしっかり見極めることで、後悔のない仕事選びができるでしょう。待遇が自分にあっている職場を選ぶことで、安心して長く働けます。
『ケイサーチ!』では、女性警備員におすすめの求人を多数掲載しています。警備員として働きたい方は、業務内容が自分にあっているかどうか求人を見て事前に把握してみてはいかがでしょうか。
女性警備員のアルバイトに関するよくある質問
最後に、女性警備員のアルバイトに関するよくある質問にQ&A形式で回答します。
【女性警備員のアルバイトに関するよくある質問】
- 女性警備員はトイレをどのようにしている?
- 女性警備員の給料・年収は?
- 女性警備員の正社員として働くことはできる?
- 女性警備員のあるあるは?
疑問点を解消したうえで、仕事探しをすればミスマッチを防げるでしょう。
女性警備員はトイレをどのようにしている?
女性に限らず、警備員には定期的な休憩時間が設けられており、その際にトイレに行けます。
【女性警備員の業務別トイレ事情】
- 常駐警備の場合:勤務施設内のトイレを使用
- 巡回や屋外での勤務:近くの公共施設やコンビニ・仮設トイレを使用
勤務前にトイレの場所や休憩のタイミングを確認しておくと、より安心して働けるでしょう。
女性警備員の給料・年収は?
女性警備員の給料や年収は、勤務場所や業務内容・勤務時間によって異なります。アルバイトやパートタイムの警備員は日給制が多く、相場は10,000円から1万4,000円程度が一般的です。
フルタイム勤務の場合は、年収は250万〜350万円程度が多いですが、夜勤や資格取得により収入が増えることもあります。
交通誘導や施設警備などに必要な資格を取得し、経験を積むことで、昇給や手当の上乗せも期待できるでしょう。
女性警備員の正社員として働くことはできる?
女性警備員として正社員で働くことは、十分に可能です。女性警備員の需要増加に比例して、正社員雇用の需要も増えています。
【引用】
男女別に見ると、男性は正規の職員・従業員数が2338万人と1万人の減少、非正規の職員・従業員数が683万人と14万人の増加となった。女性は正規の職員・従業員数が1267万人と18万人の増加、非正規の職員・従業員数が1441万人と9万人の増加となった。
引用元:労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)平均結果の概要|総務職統計局
警備業界では、常駐警備や施設警備をはじめ、多くの職場で正社員の募集が行われています。正社員になることで、安定した収入や各種福利厚生を得られ、キャリアアップの機会も広がるでしょう。
正社員として経験を積んでいけば、管理職やリーダーとしての役割を担うことも可能です。今後長く働いていきたい人は、正社員を検討してみてください。
屋外で働く女性警備員のあるあるは?
工事現場やイベント会場など、屋外で働く女性警備員の「あるある」には、以下のようなものがあります。
【屋外で働く女性警備員のあるある】
- 常にニオイ対策をする
- トイレは近くの施設や公衆トイレを使う
- 日焼け止めは必須になる など
女性警備員が増えてきた背景から、トイレの利用は徐々に改善が見られるものの、業務に入る前にはトイレの場所を確認しておきましょう。ニオイや日焼けに関しては個人の対策が必要です。最初は戸惑うこともありますが、徐々にご自身にあった対策法を見つけていけると良いでしょう。
警備員のバイトは女性にも魅力的
近年女性警備員の割合は増えてきており、警備員のバイトは、女性にとっても魅力的な選択肢となっています。警備業には資格不要で応募でき、人間関係もさっぱりしているため、気持ち的にも始めやすい仕事といえるでしょう。
しかし、女性が警備員として働く際には、メリットだけではなくデメリットもあることを覚えておいてください。体力的に負担がかかりやすく、夜勤勤務もあるため、生活も不規則になりやすい点がデメリットです。
そのため、募集求人を見る際は、具体的な業務内容や働く時間を把握しておくと良いでしょう。警備求人サイトの『ケイサーチ!』では、女性におすすめの警備求人を多数掲載しています。警備業務に興味のある方は、この機会に自分にピッタリの仕事があるかチェックしてみてください。