一般の職業とは異なる勤務体系である、警備員の24時間勤務。24時間ずっと仕事をするというのはかなり大変そうですが、勤務時間の合間には休憩と仮眠が設けられています。
24時間勤務をして稼ごう!と考えているのなら、24時間勤務の警備についてしっかりと理解を深めておきましょう。ここでは、24時間警備員がどのように仮眠をとっているのか解説します。
目次
24時間勤務警備の仮眠と勤務体系について
まずは24時間勤務警備の勤務体系について見ていきましょう。
24時間勤務の警備員はどんなふうに仕事をしている?
24時間体制で警備を行う業務がある時、3交代制の勤務体系をとっている会社もありますが、1人が24時間連続勤務を行う会社もあります。
24時間連続勤務の時、休憩時間はトータルで8時間、実質の労働時間は16時間程度というのが一般的です。つまり24時間で2日分の仕事をしている計算となります。
深夜の休憩は仮眠時間となり、4~5時間ほど連続してとれるのが一般的です。
24時間勤務では、勤務当日を当務、翌日を明け、翌々日を休日として勤務日が回っていきます。24時間働いて2日休み、また24時間働いて2日休みといった具合です。
そのため、警備員の中には「24時間勤務の方が楽」という方もいるようです。この勤務体系だと、平日が休みになるというのもメリットですね。
警備の仮眠は勤務時間に入る?
上記で「仮眠は深夜の連続した休憩時間にとる」と説明しましたが、実は「仮眠が勤務時間になってしまう」こともあるようです。過去には仮眠は休憩になるのか勤務時間にあたるのかで裁判になったこともあります。どういうことなのか詳しく見ていきましょう。
警備の仮眠は勤務時間なのか
24時間勤務で深夜に連続して休憩する時間があったとしても、次のような場合には休憩時間と認められず、それは「勤務時間」となります。
・仮眠中でも使用者の指揮命令下にあり、いつ仕事になるかわからない
・いつでも出動できる状態で仮眠している
つまり、完全な休憩は許されず、いつでも仕事ができるような状況下で仮眠している時、それは勤務時間に含まれます。休憩時間には時給が発生しないという場合、正当な給与を貰い損ねている可能性があるのです。
仮眠が勤務時間とされた例
実際に、裁判で仮眠時間が勤務時間と認められた例があります。
とある警備会社に努めていた50代の男性が、「仮眠中もいつでも業務できるような状況にあり業務から開放されなかった」と訴えたところ、地裁側は男性の主張を認め、警備会社側に仮眠中の賃金の支払いを命じました。
労働基準法では、労働時間が6時間超8時間以内の場合には45分、8時間を超える時には1時間の休憩を労働時間中に与えることとなっています。仮眠以外の休憩時間も妥当かどうかしっかり見極めなければいけません。
24時間勤務の警備会社に就職する時には、事前に労働時間や休憩時間、仮眠中の対応について聞いておくようにしましょう。
まとめ
24時間勤務の場合、警備員には休憩時間の他に仮眠時間が必要です。仮眠時間となっているのに途中で巡回業務がある、警報がなったり電話対応が必要であったりするという場合には、それは仮眠時間ではなく勤務時間となってしまいます。
この場合、仮眠時間中であっても賃金を受けとることができます。就職前に仮眠と勤務体制についてよく確認し、労働と賃金が見合っているか確認しておきましょう。