警備員として関わるイベントの種類としては、スポーツ大会やコンサートのような大規模な会場を使うものから、建物の一室で行われる小規模なイベントまでさまざまな種類があります。
イベント警備員として働くことの醍醐味は、携わるイベントの成功に貢献できることではないでしょうか。
今回の記事では、警備員としてイベントに関わる際の仕事内容や、イベント警備で働くメリット・デメリット、そしてイベント警備をする際に注意するべきことなどについて解説していきます。
目次
イベント警備の主な仕事内容
イベント警備の主な案件は、スポーツ大会やコンサートなど大人数が集客している場所が中心となっています。
登録制の派遣アルバイトで配置されているスタッフとは違い、警備員は制服を着用していることから、人々への誘導効果が高いとされています。
では、具体的にどんな業務を行っているのか、詳しくご紹介していきます。
会場敷地内や周辺の雑踏警備
イベント警備の主な業務とは、会場敷地内や周辺の歩道や道路で安全な交通誘導を行うことです。
大規模なスポーツ大会やコンサートが行われる際は、会場の敷地内だけでなく、施設の周りの公道にも人が溢れかえることになります。混雑を原因とした事故が起こらないよう、歩行者や車両に対して適切な交通誘導を行うことが求められます。この業務を「雑踏警備」と呼びます。
2001年に兵庫県・明石市の花火大会において、多数の来場客で混雑する中、歩道橋という非常にせまい空間に群衆が密集したことが原因で人が将棋倒しとなってしまい、11人の死亡者と数百人の負傷者を出してしまうといういたましい事故が発生しました。
この事件以来、雑踏警備の重要性が世間でも認知され、イベント警備が重視されるようになりました。
実際の現場では、スポーツ会場やコンサート会場周辺の路上での警備以外にも、駅伝やマラソン大会のように道路自体でイベントを開催する場合もあります。
そういったイベントでは、道路上に柵やコーンを置いて車両の進入を規制したり、車道に立って歩行者の誘導などを行うなど、事故防止を徹底したマニュアルが実用されています。
イベント警備のメリット・デメリット
イベント警備においては、会社やデパートなどに常駐する施設業務とは違い、その日にしか味わえない体験を味わえるのが醍醐味です。警備特有のメリットとデメリットについて説明します。
メリット①:イベントを成功させる側で働ける
どんなイベントを催すにも、必ずプロジェクトを制作する企業や人員が携わり、念入りな準備を重ねて当日を迎えます。当然、そこには様々な想いや熱意、緻密な計画が組み込められており、誰もがイベントを成功させるため全力を尽くしています。
その中で、当日会場の警備を任されているイベント警備は、事故・事件を防ぐ為にも重要な役割を担っています。
イベントを成功させる為の一員として現場に出る事になるので、普段とは違う緊張感や臨場感が味わえるでしょう。
メリット②:有名人を見かける機会がある
スポーツ選手の控え室やアーティストの楽屋など、関係者に近い配置で警備していると、有名人を見かける機会が巡ってくることもあります。
イベント警備を業務した警備員の実体験としては、一般のお客さんが入ってこられない関係者専用の出入口を警備していた際に、世界的に有名なスポーツ選手が通りがかり、「トイレはこっちでしたよね」と尋ねられたことがありました。
また、テレビにも出ている有名人に「お疲れ様です」と声をかけられたこともあります。このように、有名人と同じ現場で仕事をするというのは中々無いのではないでしょうか。
デメリット①:持続的な集中力が必要な現場もある
大人数が集客している現場へ配置される一方、ほぼ通りがかる人がいないような場所に一人で立って警備をする場合もあります。
このようなポジションに配置されると、人と話す機会が殆どない中で、周囲を警戒しなければならないので持続的な集中力が必要です。
イベント警備の注意点
会社やお店などに常駐する警備と比べて、イベント警備は屋外の業務が多かったり、大勢の人を相手にしなければならない分、注意すべき点も多くあります。以下、イベント警備においての注意点について説明していきましょう。
注意点①:場所によっては暑さ・寒さが厳しい
イベント警備では、イベント自体が屋外で行われるものであったり、屋外の配置につく場合もあります。屋外で警備業務を行う場合、夏は暑さ、冬は寒さが厳しく感じられる場合もあるでしょう。
警備業務では配置を離れて歩き回ったりすることは許されず、決められた配置に立っていなければなりません。このため、気候に合わせて水分補給をしたり、防寒着を用意するなどの対策を徹底して、体調を壊さないように気をつける必要があります。
夏の現場では、塩飴を舐めたり冷却スプレーなどの暑さ対策を行っている警備員も多く見かけます。
注意点②:イベントの内容によっては危険が伴うことも
イベントの内容によっては、攻撃的な傾向のある客が多かったりと、トラブルに遭う危険が多い場合があります。特にスポーツ会場などの場合、酔客に絡まれて暴言や威圧行為を受けたりと、一触即発の状況に陥ることも珍しくありません。
このように危険を感じる状況では、他の警備員と連携して可能な限り多人数で対応するよう心がけましょう。
まとめ:イベント警備は仕事しながら非日常の体験ができる仕事
イベント警備という仕事は、来場者の安全を守ったりイベントの成功を支えたりしながらも、自分自身がイベントの一員として参加しているような気持ちを味わえる仕事です。思い出に残るような出来事もありますし、思わぬ出会いもあるかもしれません。
もちろん、「お客様気分」ではなく、あくまでも仕事だという自覚は必要となります。とはいえ、他の仕事ではできないような貴重な体験ができるのも事実です。興味があればイベント警備員としてのキャリアを検討してみましょう。