「自分の警備会社はブラックかも」と思ったら、ホワイト企業への転職を考えてみましょう。ホワイト企業へ転職をすれば、給与や福利厚生・職場環境などが改善され、より快適に働けるようになります。
今回は、ホワイトな警備会社の6つの特徴を紹介しますので、転職活動の参考にしてみてください。
ブラック企業・ホワイト企業の特徴を先に知りたい方はこちら
目次
警備会社とは警備業務を委託された会社
警備会社とは、委託された警備業務を行う会社のことです。
建物や人々の安全を守るため、監視やリスクの排除を行うのが警備会社の主な業務になります。政治家や著名人などの身辺警備なども、警備会社が行う業務のひとつです。
警備会社の仕事内容や働くメリット・デメリットを詳しく見てみましょう。
警備会社の仕事内容
警備とは、厚生労働省の職業分類では「保安職」に分類される仕事です。警備の仕事内容は、次の4種類に分けられています。
【警備会社の仕事内容】
- 1号警備:施設警備業務、巡回警備業務、保安警備業務、機械警備業務
- 2号警備:交通誘導、雑踏警備業務(イベントや催事での保安誘導)
- 3号警備:運搬警備業務
- 4号警備:身辺警備業務
警備業者は1・2号警備が大半を占めており、主に施設の常駐警備・交通誘導・イベント警備などを行います。3号の運搬警備は、美術品や貴重品・現金などを運ぶ際に盗難のリスクを避ける業務です。4号警備は、著名人の身辺を警護するボディーガードにあたります。
警備会社で働くメリット
警備会社で働くメリットは、以下のとおりです。
【警備会社で働くメリット】
- 未経験・資格なしでもスタートできる
- 夜勤手当がある
- 雇用数は増加傾向で、安定的な就労が期待できる
- 資格取得で給与アップやキャリアアップができる
警視庁『令和4年における警備の概況』によれば、2018年から5年間で、警備員の数は2万7,597名増え、2023年時点では58万2,114名と増加傾向にあります。(※)
警備業は未経験・無資格でもはじめられるので、年齢問わずさまざまな方にオススメできる仕事です。
(※)参考:警察庁生活安全局生活安全企画課「令和4年における警備の概況」P1
警備会社で働くデメリット
警備会社で働く具体的なデメリットは、以下のとおりです。
【警備会社で働くデメリット】
- 屋外の場合、天候や気候の影響を受ける
- 夜勤をすると生活リズムが乱れる
- トラブルに遭遇するリスクがある
- 立ちっぱなしも多く、体力が必要になる
屋外警備の場合は、雨や酷暑のなか警備をせねばならず、身体に負担がかかる部分が大きい点がデメリットです。立ちっぱなしの仕事も多いので、体力のない方だと難しい仕事でしょう。
夜勤も多くあるため、昼夜逆転して体調を崩す方もいます。体力面が不安な方は、夜勤がなく、こまめに休憩を取れたり冷暖房のある室内で警備できたりする仕事を探してみましょう。
警備員の仕事内容別のメリットについては、下記の記事で紹介しています。業務別の概要について詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
ブラックといわれる警備会社の3つの特徴
ブラックな警備会社には、以下のような特徴があります。
【ブラックといわれる警備会社の3つの特徴】
- 上下関係や規則が厳しい
- 労働環境が悪い
- 賃金が支払われない
それぞれの特徴について詳しく解説します。
特徴1:上下関係や規則が厳しい
警備業はチームで仕事をするため、人間関係が悪いとストレスを感じやすくなります。暴言や暴力・理不尽な叱責など、パワハラのような行為が多い職場は要注意です。
男性中心の職場が多い場合もあり、上下関係がしっかりとした硬い雰囲気の職場も少なくありません。体育会系の雰囲気が苦手な方だと違和感をおぼえるケースもあるので、入社前に社風をチェックしておきましょう。
特徴2:労働環境が悪い
「休憩時間をもらえない」「トイレや水分補給の配慮がまったくない」という職場も、ブラックといえます。警備業は長時間拘束が基本なので、生理現象に対する配慮がまったくないと、体調を崩してしまうでしょう。
労働環境に不満がある場合は、警備会社に改善を申し入れてみてください。改善の申し入れをしたのに、きちんと対応してもらえない場合は、ブラックの可能性が非常に高いでしょう。
特徴3:賃金が支払われない
賃金が正しく支払われない場合は、違法労働を強いる企業である可能性が高く、注意が必要です。労働基準法では賃金の支払い義務が定められており、未払いは同法第24条違反になります。(※)
未払いや一部未払いの場合は警備会社に相談をして、支払い状況を確認してください。
不当な未払いが続く場合は、労働基準監督署へ相談をして対応してもらいましょう。賃金未払いのまま会社が倒産しても「未払賃金立替払制度」で、国が一部を建て替えて支払ってくれる可能性があります。
(※)参考:厚生労働省「労働基準法第24条(賃金の支払)について」
以下の記事では、ブラックな警備会社に入社しないコツを解説しているので、ぜひあわせて読んでみてください。
どこがいい?ホワイトといわれる警備会社の6つの特徴・見分け方
ホワイトといわれる警備会社の特徴は、以下の6つです。
【ホワイトといわれる警備会社の6つの特徴】
- 福利厚生・待遇が手厚い
- 情報発信に積極的である
- 教育体制が充実している
- 昇給の制度がある
- 評価基準が明確にある
- 会社の売上が大きい
特徴をしっかりと把握して、よい警備会社を探してみましょう。
《特徴1》福利厚生・待遇が手厚い
福利厚生や給与水準などがよい警備会社は、ホワイト企業の可能性が高いでしょう。福利厚生とは、以下のような制度です。
【福利厚生の例】
- 法定福利
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 介護保険
- 雇用保険
- 労災保険
- 子ども・子育て拠出金
- 法定外福利
- 通勤手当
- 家賃手当
- 育児・介護手当
- 健康診断費用補助
- 各種研修制度
「法定福利」は法律で定められている福利厚生なので、上記がない会社は避けましょう。
求人掲載給与があまりにも高い場合、残業が多かったり、研修期間の給与が非常に低い可能性もあります。
求人にある福利厚生や給与額だけでなく、より詳細な情報を面接時に聞いておくと安心です。
《特徴2》情報発信に積極的である
情報発信に積極的な企業は、人的・資金的リソースに余裕がある証拠です。人手不足や資金不足が深刻な企業の場合、ホームページやSNSで情報発信をするのは難しくなります。
情報発信を積極的にできている企業は、社内の雰囲気が良好である可能性も高いといえます。求人で良さそうな企業があったら、ホームページやSNSをチェックして、社風や業務内容を詳しく確認しておきましょう。
《特徴3》教育体制が充実している
教育体制の充実度は、自分自身のキャリアにも関わる重要なポイントです。新人研修はもちろん、現任研修をしっかりと行っているかもチェックしましょう。現任研修とは、法改正対応や業務向上のために年1回受講する研修です。
ほかにも、資格取得のための研修があると、キャリアアップにつながります。警備会社によっては、検定のための学習サポートや、研修費補助があるので、確認してみてください。
警備業に長く勤めたい方は「警備員指導教育責任者」の資格取得もオススメです。以下の記事では、警備員指導教育責任者について詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
《特徴4》昇給の制度がある
ホワイト企業は、よい人材に長く働いてもらうため、昇給制度もしっかりとしています。
警備会社の場合は、資格や階級、勤続年数などで昇給を判断するケースが多いでしょう。
階級の名称は会社ごとに異なりますが、今回は一般的な例を紹介します。
【警備会社の階級の例】
- 警備士
- 警備長
- 上級警備長
- 警備司令補
- 警備司令
- 警備司令長
警備士は実務職、警備長や上級警備長は監督職があり、より上のポジションが管理職になります。階級にあわせて、適切な昇給制度がある会社を選びましょう。
《特徴5》評価基準が明確にある
評価基準が明確であれば、給与を上げるモチベーションにつながるでしょう。警備会社の場合、以下のようなポイントが評価基準になっているケースがあります。
【警備会社の評価基準の例】
- 警備倫理の順守
- 取得資格
- 勤続年数
- チームワークやコミュニケーション
- 役割の理解と遂行
評価基準が曖昧な会社では、どれだけ頑張っても給与が上がらないこともあるでしょう。不当に賃金を上げてもらえない原因にもなるので、評価基準が明確で賃金アップを実施している会社選びをオススメします。
《特徴6》会社の売上が大きい
会社の売上は、待遇や研修体制などに関わる大切なポイントです。売上がしっかりと上げられている企業は、賃金アップや福利厚生・研修などが充実している傾向があります。
企業の売上は、以下でチェックが可能です。
- ホームページにあるIRや決算情報
- 帝国データバンク
- 東京商工リサーチ など
なかには、売上が多いぶん支出も非常に多く、赤字になっている企業もあります。売上高のみを確認するのではなく、どれくらい利益が出ているかに注目しましょう。
ホワイトな警備会社に入社するためのコツ3つ
ホワイトな警備会社に入社するためには、3つのコツがあります。
【ホワイトな警備会社に入社するためのコツ3つ】
- 自分がストレスに感じる部分を把握しておく
- 資格を取得しておく
- 警備会社の取引先を確認しておく
それぞれ詳しく解説します。
コツ1|自分がストレスに感じる部分を把握しておく
人によって、ストレスを感じやすい部分は異なります。人間関係がストレス源になる人もいれば、業務量の多さがストレスになる人もいるのです。反対に、業務量が少なすぎて暇だとストレスを感じる人もいるでしょう。
これまでの仕事や、自分自身の性格を振り返って、ストレスに感じやすい部分が何かを考えてみてください。自分が何にストレスを感じやすいか把握しておけば、より快適に働ける職場を探しやすくなります。
コツ2|資格を取得しておく
警備の仕事は、資格なしで行える業務が多くあります。とはいえ、ホワイト企業は求めるレベルも高い傾向があるため、資格を取得しておくのがオススメです。警備業務に関する代表的な資格は、以下のとおりです。
【警備業務に関する資格(各1・2級)】
- 施設警備業務検定
- 雑踏警備業務検定
- 交通誘導警備業務検定
- 空港保安警備業務検定
- 貴重品運搬警備業務検定
- 核燃料物質等危険物運搬警備業務検定
専門職ほど人材が少なく、採用してもらえる可能性も高まるので、資格を取得して専門性を高めていきましょう。
コツ3|警備会社の取引先を確認しておく
常駐警備の場合は、常駐先の会社について詳しく調べておくのがオススメです。常駐先によっては、冷暖房やトイレなどの設備面がよくないケースもあります。
常駐先の職場環境がよくない場合、警備員に対して高圧的な人がいる可能性もゼロではありません。Googleマップや転職者向け口コミサイトなどを使うと、取引先の状況を把握できます。
ホワイトといわれる警備会社によくある疑問
ホワイトといわれる警備会社に関して、以下のような疑問を抱く方もいるでしょう。
【ホワイトといわれる警備会社によくある疑問】
- ダメな警備会社の見分け方は?
- 大手の警備会社の特徴は?
- 中小警備会社の特徴は?
よくある3つの質問について、ひとつずつ回答します。
ダメな警備会社の見分け方は?
A.ダメな警備会社の見分け方は、以下のとおりです。
【ダメな警備会社の見分け方ポイント】
- ネット上に会社の様子がまったく出ていない
- 募集要項に記載されている情報が少なすぎる
- 福利厚生が充実していない
- 給与が著しく低い
- 給与が非常に高いが、残業等に関する悪い口コミが目立つ
- 面接官が高圧的、またはやる気がないと感じる
- 面接での説明が募集要項と異なる
とくに注意したいのが、給与や福利厚生の面です。募集要項と口頭説明の内容が違っていたり、サービス残業が当たり前になっていたりする職場もあります。
面接の際、転職者の質問に対して不明点をしっかりと説明し、丁寧に答えてくれる企業をひとつの指標としてもよいでしょう。
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大手の警備会社の特徴は?
A.大手の警備会社の特徴は、以下のとおりです。
【大手の警備会社の特徴】
- 企業規模が大きい(従業員数や拠点数が多い)
- 給与や福利厚生が充実している
- 最新の警備システムに対応している
- 研修や資格取得サポートに積極的である
- 正社員登用もあるが、倍率が高い
- 非正規をあまり採用していない
大手の警備会社は、よりハイレベルな人材を揃えるための工夫をしています。「待遇をよくする」「優秀な正社員を増やす」「非正規を増やしすぎない」などが、工夫のひとつです。
ハイレベルな正社員を確保することによって、警備サービスの品質を向上させ、大手として信頼されるだけの実績を生み出しています。
中小警備会社の特徴は?
A.中小警備会社の特徴として、以下の点があります。
【中小警備会社の特徴】
- 従業員数が少なく、ひとり当たりの割り当てが多い
- キャリアアップしやすい
- 上下の人とコミュニケーションを取りやすい
- アルバイトから正社員まで、さまざまな求人が出ている
中小警備会社は、大手と比べて給与・福利厚生が充実していない場合もあります。しかし、従業員が少ないぶん「キャリアアップしやすい」「役職手当が付きやすい」など、スキルアップにつなげられるのは大きなメリットです。
また人数が少ないと、先輩・後輩とのコミュニケーションが取りやすく、現場の要望や意見が管理職まで届きやすいのもメリットといえます。
大手警備会社と中小企業の警備会社の違いについて、下記で触れています。細かい違いについて知りたい方は参考にしてみてください。
ホワイトな警備会社に転職し、心身ともにゆとりを持とう!
警備会社はブラックからホワイトまで、さまざまな会社があります。勤務環境が悪かったり、給与・福利厚生が充実していなかったりする会社は、長く勤めるほど辛くなるため、ホワイトな警備会社を探してみてもよいでしょう。
ホワイト企業は、昇給制度や教育体制が充実しているので、自分自身の専門性を着実に高められます。警備員としてのキャリアをより充実させるため、本記事を参考にしながら、自分に合ったホワイト警備会社を探してみてください。
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