「退職」という重要なターニングポイントを、バックレや、電話一本で終わらせるなんて勿体ないことです!
例えアルバイトでも、辞め際は誠実に格好よくいきましょう!
ここでは「警備会社を退職する流れ」から「退職届の書き方」「円満に退職する際のメリット」について詳しく解説していきます!
目次
警備会社を辞める全体的な流れ
警備業界では、突然出勤しなくなる方や電話一本で退職の連絡を済ませてしまう方が多くみられます。
退職する理由は何であれ、きちんと手順を踏んで退職しなければ、転職活動にも影響しかねません。未来を見据えて、最後だから雑にするのではなく、最後だからこそきちんと丁寧に計画的なスケジュールで退職しましょう。
では実際にどんな流れで退職すれば良いのか、アルバイトと正社員をパターン別で紹介していきます。
アルバイトで警備会社を辞める場合
最初にご説明したいのは、アルバイトは「有期雇用」と「無期雇用」の二種類に雇用形態が分かれているということです。
「有期雇用」とは、契約する際に予め期間を定めて勤務するアルバイトのことを言います。契約終了日まで働くことが基本となり、途中で辞めない事を前提に契約している為、もし期間内で退職したい場合は勤務先に相談しなければなりません。
対して「無期雇用」とは、期間の定めなく勤務するアルバイトのことを指します。警備員のアルバイトは殆どが「無期雇用」であり、辞めたい場合は、退職日の14日前までに申し出れば問題ありません。しかし、14日前だと周囲に迷惑をかけてしまう事になりかねないので、余裕を持って申請しなければなりません。
それでは、無期雇用のアルバイトを辞める場合は、どんなスケジュールで行けば良いのでしょうか。
- 辞める1ヵ月前に責任者へ退職日・退職する旨を伝える
会社によっては就業規則で申請日が決まっていることもありますが、辞める一ヵ月前にはその旨を責任者へ伝える事から始まります。
電話やメール、LINE等で伝えるのではなく、直接会って伝えるのがお世話になった会社へのマナーです。
担当者や責任者が多忙で、話し出すタイミングがわからない場合は、「〇日、お話ししたいことがあるのですが、お時間ありますか。」と先にアポイントを取って置くと確実です。
- 返却物、持ち帰る物の確認(辞める3週間前まで)
アルバイト先で支給された衣類や仕事道具、保険証の返却が必要になります。いつまでに返却すればいいのか、スケジュールに必ず組み込みましょう。この確認を疎かにしていると、返却自体を忘れてしまい、日にちが経つにつれて返却がし辛くなってしまいます。
しかし返さないままでいると、辞職先から盗難届が提出され、「業務上横領罪」という犯罪に触れてしまう可能性もあるのです。辞めた後も警備会社とトラブルになる前に、必ず確認しましょう。
ちなみに制服は、クリーニングしてから返却してほしいと言われる場合もあるから、いつクリーニングへ出すか決めておくと良いぞ。
また、会社によっては保険証・定期券を返すこともあるみたいじゃ。
- 会社から受取るものを確認(辞める2週間前まで)
勤務先によっては、年金手帳、雇用保険書類などを受け取る必要があります。元々待遇を受けていない場合は必要ありませんが、1つの警備会社の勤務日数が多く、待遇を受けている場合は確認しておくと良いでしょう。
全ての手続きを最終日までに終わらせておけば、後々取りに行く必要もなくなります。
- 最終日当日 お世話になった方への挨拶
警備のアルバイトだと、勤務体制によって当日のメンバーが変わる事があります。これまで何度も現場でお世話になった方、やり取りした会社の方など、挨拶する方は事前に決めておきましょう。最終日に不在の場合は、その方の勤務日程を事前に確認し、最後にお会いする日に挨拶しておけば間違いありません。
アルバイトで退職届は必要?必要な場合の書き方も紹介
基本的にアルバイトの場合は必要ありませんが、退職届を書類として欲しいと言ってくる会社もあります。
その場合、どういったフォーマットが良いのか、記入例がこちらになります。
※イメージ画像
作成は、パソコン・手書き、どちらでも構いませんが、書き方としては縦書きとなります。
自分の署名に関しては、部署に所属していない場合、記入しなくても問題ありません。
正社員で警備会社を辞める場合
掛け持ちが出来るアルバイトとは違い、正社員で退職となると転職活動が必ずセットになります。既に転職先が決まっていれば問題ありませんが、退職手続きと転職活動を同時進行で行う場合はきちんとスケジュールを立てて行動しましょう。
- 上司へ退職日・退職する旨を伝える(退職する2ヵ月前)
警備会社としては、後任の人員確保や手続きの関係上、なるべく早く申請してほしいので、2ヵ月前までには申し出るようにしましょう。
退職時期に関しては、なるべく繁忙期を避けると周囲への負担も軽減します。手続きを円満に終わらせる為にも、転職先の都合など事情がない限り配慮ある行動を意識する事が大切です。
伝える相手としては、自分の直属の上司になります。事前に話す場を設けるようにしましょう。重要なのは、有休消化など退職日までのスケジュールをその場で必ず話し合う事。退職する旨だけ伝えると、中途半端なまま話が流れてしまう可能性もあります。スケジュールを組み立てることで、退職する意志を明確にでき、引継ぎ作業が円滑に進めるのです。
そもそも、退職金制度が無い警備会社は、基本給で手当として加算することで補っていることもあるから、事前に確認しておくと良いぞ。
- 業務の引継ぎ・退職届(必要書類)提出(退職する1ヵ月前)
退職日の1ヵ月前には、退職届を上司へ提出しましょう。受理されたら、そのまま引継ぎ作業へ…となりますが、警備員の場合引継ぎするような業務が少ないのが特徴です。もし必要であれば、引継ぎ資料があれば後任者が困る事はありませんので準備しておきましょう。
- 社外への挨拶周り・荷物整理(退職する2週間前~)
担当していた施設や、現場の関係者、取引先など、社外で関わった方に挨拶をします。勤務先に私物がある場合は持ち帰ったり、必要ないものは処分したりと、退職日にきちんと自分のワークスペースが綺麗になっていることが必須となります。自分のデスクが無い場合は、身の回りの整理や返却物の確認をしましょう。
- 退職日(必要書類の受取り・備品返却・社内挨拶)
▽退職時に会社へ返却するもの▽
・健康保険被保険者証(保険証)
・社員証(名札やカードキーなど)
・仕事道具(制服などの衣類や、会社で支給されたもの)
▽退職時に会社から受け取るもの▽
・離職票
※失業保険を給付されるのに必要。手続きに時間がかかるため、退職日より日にちが経ってから渡されることが多いです。
・雇用保険被保険者証
※会社で保管している場合
・年金手帳
※会社で保管している場合
・源泉徴収票
※年末調整に必要な書類で、転職先に提出します。
【退職願・退職届・辞表の違い】
この3つはよく耳にする言葉ですが、それぞれ別の意味を持つ書類となります。使い方を間違えると、正常に手続きが出来ず、返却される恐れがあるので、しっかり押さえておきましょう。
▽退職願
簡単に言うと「退職しようと思っています。よろしくお願いします。」という事です。あくまで、お願いであり、この書類を提出したところで契約解除には至りません。口頭だけで退職する旨を伝えるか、退職願を提出するか、両方行うか、全て同じ扱いになります。
▽退職届
一般的に会社員が退職する場合は、この「退職届」を提出します。これは、退職者が労働契約を解約出来る書類で、受理された時点で退職が決定となります。提出後は基本的に撤回が出来ないので、本当に退職する決意が固まってから出さなければなりません。
▽辞表
会社で役員に当たる人や、公務員が辞める場合に提出するのが「辞表」です。
退職届の書き方
【退職届】
①「私儀」読み方は「わたくしぎ」。退職届の書き出しとなります。
②「一身上の都合により」理由はそれぞれあると思いますが、自己都合で退職する場合は、この書き方になります。
③「令和〇年〇月〇日」は正式的な退職日を記入します。必ず上司と話し合った日にちを記入しましょう。年は西暦でも問題ありません。
④退職が確定した申告書になるので、文末は「退職いたします。」と記入しましょう。
⑤提出する日を記入します。記入日ではないので注意しましょう。
⑥下の部分に、「自分の所属部署・名前」を記入します。名前の後には必ず捺印を入れます。
⑦「会社名とトップに当たる人物の役職・氏名」を記入します。一般的には、「代表取締役社長」が多いです。
【封筒】
①「退職届」は手書きで、大きく丁寧に中心へ書きます。
②「自分の所属部署・名前」を記入します。
③封筒をのりや両面テープで閉じた後は、「〆」を尖った部分にペンで記入しましょう。
辞める時の理由・挨拶はどうしたら良い?
極端な話になりますが、「会社に不満があるから辞めます」といった言葉より、「違う警備職種に挑戦してみたいので、辞めます」の方が将来性もあり、受け取り側としても悪い気持ちにはなりません。
退職を伝えるのであれば、マイナス面を強調するのではなく、プラス面を前に出していく方がスムーズに行けます。また、その会社では出来ないことを発言しないと、「…そしたら、この会社で挑戦してみたら?」と引き留められてしまう可能性も…。
ぶっつけ本番で伝えるのではなく、事前に話す事をイメージしておきましょう。警備会社は人手不足なところが多いので、恐らく責任者としては引き留めたいはず。その要素も考えながら、自分が第一に発する言葉を選んでおくのが得策です。
辞める旨を上司又は責任者へ伝える場合
アルバイトの場合 例
「お忙しいところ、恐れ入ります。〇月〇日を持ちまして、辞めせて頂きたいと思いお伺いしました。
理由としましては、施設警備員の仕事をしていて機械への興味が沸き、専門的な事を学ぶために機械警備へ正社員で入社したいと思ったからです。
この会社で初めて警備員の仕事をしたため、ご迷惑をおかけしたことも多々ありましたが、新たな道を切り開くきっかけとなりました。貴重な体験をさせて頂きましたこと、本当にありがとうございました。」
正社員の場合 例
「お忙しい中、お時間を頂きありがとうございます。
この度、今後の将来を見据えた結果、〇月〇日を持ちまして退職することを決意致しました。○○さんには、今まで大変お世話になった身でありながら、勝手な申し出となり、申し訳ございません。
ご迷惑をおかけすることは、重々承知しておりますが、これまでの経験を活かし、自分の道を突き進みたいと意志が固まり、このような判断となりました。本当に、○○さんには感謝しております。これまでありがとうございました。」
〇引き留められた場合は?どうすれば…〇
それでも、「時期的にちょっと…」「この会社でも出来ないかな?」と引き留められた場合は、頑固として応じない心持ちで接しましょう。
言い方を間違えると傲慢に聞こえてしまうので、言い方としては
「ありがとうございます。しかし、次のステップに踏むためにも、この会社で甘えることなく、別の会社で勤めることが自分にとって成長に繋がると考えております。ご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、引継ぎ期間を設けたスケジュールとなっておりますので、〇月〇日にて退職させて頂きます。」
と、感謝の気持ちを伝えつつも、あくまで自分のキャリアアップが優先なのだと意志表示する事が鍵となります。
次の転職先を聞かれても、答える義務はありません。引き留められる要因にもなるため、なるべく転職先を明かさない方が良いでしょう。就業規定を事前に確認し、退職を申し出る期間が決まっていない限り、2か月前に申請すれば問題無いとされています。
最終日(退職日)の挨拶
アルバイトの場合 例
「本日をもちまして、退職させて頂くこととなりました。至らぬ点をフォローして下さった先輩方、わからない事を教えてくださった社員の方々、本当にありがとうございました。
ここで経験したことを生かして、次の勤務先でも頑張りたいと思います。今まで、お世話になりました。今後とも皆様のご活躍を応援しております。」
正社員
「私事となり恐縮でございますが、本日を持ちまして退職することとなりました。入社時からこれまでお世話になった皆様、最後まで本当にありがとうございました。
今後は新たな道へと進む次第ですが、ここで学んだ経験を活かして今後も精進してまいります。最後になりますが、皆様と御社の今後のご活躍をお祈り申し上げます。これまで本当にありがとうございました。」
朝礼や終礼の際に挨拶する際は、手短に感謝の意を伝える事を重点に置きましょう。また、朝礼や終礼が無い警備職種の場合は、個別でお世話になった相手に挨拶すれば問題ありません。
スムーズに退職出来ると、メリットがたくさん!
転職活動と同じくらい、退職する際の行動は自分のこれからを物語っていきます。
会社を辞めるとき、「どうせ辞めるのだから誰にどう思われようが良い」なんて思ったことありませんか?
特に、自分が求めている待遇がされていなかったり、会社にある程度の不満があった時など、「適当に退職して新しいところ探そう」…なんて考えてしまいがちですよね。
そんなこと考えた結果、結局電話で済ませる羽目に…なんてことも。
最後を適当に終わらせると、今後も重要な場面で、別の言い訳を作って逃げてしまう癖がついてしまいます。
折角なら、嫌なイメージを与えたまま辞めるのではなく、自分の為に社会人らしく手順を踏んで辞めませんか?
円満で退職することによって、どんな効果が期待できるのでしょうか。メンタル面とビジネス面に分けで紹介していきます。
メンタル面
・今まで一緒に仕事をしてきた仲間や、周囲との人間関係が良好で済む
退職するというのは、周りの人間に負担をかけてしまう可能性があるという事です。そこで気になるのが、お世話になった上司(隊長)や、現場で一緒になった仲間との人間関係です。
例えば、シフト制の勤務体制だと、自分の穴を誰かが埋めることになります。人員を確保できていれば問題はありませんが、誰かに希望以外のシフトに入ってもらう事になるかもしれません。フォローをしてもらう相手と険悪な関係になりたくありませんよね。
退職する旨と、今までお世話になったお礼をすることで良好な関係なまま退職出来るなら、優先的にした方が良いでしょう。
・ネガティブ要素が減り、次のステップへのモチベーションに繋がる
「転職」は未来の事を見据えた行動なのでポジティブな思考になりやすいですが、「退職」は後ろめたさを感じてしまう事によりネガティブ要素と繋がりやすくなってしまいます。
折角新しい道へ進もうとするのに、ネガティブ要素が邪魔して、モチベーションが中途半端になってしまったら勿体ないですよね。自分のメンタル起伏を安定させる為にも、円満退社は必要不可欠になるでしょう。
・転職先で面接をする際、クリアな気持ちで受け答えできる
転職活動をしている際に、前職のことに触れる機会は必ずあります。もし、バックレや後ろめたくなるような行動をしていたら、面接時の対応に出てしまう可能性も…。面接官は人を見るのが仕事です。
クリアな気持ちで受け答え出来ないだけで、プレッシャーを感じてしまうかもしれません。
ビジネス面
・警備業界内で悪い評判や噂がまわる心配をしなくて済む
警備業界は、転職率が高く、出入りが激しい職種でもあります。また横の繋がりならともかく、縦の繋がりで自分がこれから不利になるような評判が立たせたくありませんよね。
転職したのに、勤務先で自分の悪いイメージが埋め込まれている状況は最悪なケースです。その会社だけでなく、他の会社でも自分の評判が広まっていたら、転職先が狭まってきます。そこからの信用を取り戻せるだけのポテンシャルがあれば、打破できるかもしれませんが、円満に退職すればそんな苦労をしなくて済むので、後者に力を入れるべきでしょう。
・将来的に人脈が広がる
ビジネスにおいて、人脈が広がるのは可能性が広がるのと同じことです。起業まではしなくても、自分のルーツの一つにはなります。何かあったときや、別の方向性でお世話になるときに、信頼関係を引き継ぐことが出来れば、物事は効率的に進みやすくなるでしょう。
・手続きがスムーズに進む
そもそも事務手続きが苦手な方は、退職に対して引け目を感じてしまうかもしれません。アルバイトであれば簡単ですが、正社員の場合は次の転職先に必要な書類も受け取る必要があります。書類の収集に対する負担も、人間関係が良好なら軽減され、進行もスムーズに行くでしょう。
まとめ
「終わりを慎(つつし)む事 始めの如くんば則ち敗事無し」という故事があるように、始まりと同じように終わりも慎重になれば、失敗することは無いと言われています。
始めたのは自分自身なのですから、終わらせるのも当然、自分自身ですよね。
いわゆるブラック企業と言われている会社に勤めていて、どうしても退職出来ない場合もあるかもしれません。その場合は、退職代行サービスを利用したり、専門家に相談するなど、第三者へ助けを求めることも大切です。
しかし、それ以外の自己都合であれば社会人らしく誠意を見せて辞めましょう。
「相手のことなんて関係ない」「辞めたいから辞める」そんな気持ちになったとしても、一回冷静になって客観的に物事を見ることが重要なのです。