警備員のアルバイトは時給・日給が高めに設定されているケースがあるため、新しく始めてみようと思った方もいることでしょう。しかし、初めて警備員の仕事をする方は、仕事がきついという評判を聞いて不安に思っているかもしれません。
そこで本記事では、警備員のメリットやきついポイント、向いている方などを紹介します。アルバイトに合格するための秘訣もまとめているので、面接時の参考にしてみてください。
目次
警備員バイトの主な仕事内容
警備員のアルバイトを始めると、次のような仕事に就くことになります。
- 施設警備
- イベント警備
- 交通誘導警備
基本的に、危険度の高い仕事やセキュリティの高い仕事は警備会社が直接担当するため、アルバイトの仕事は安全です。各警備の業務について詳しく見てみましょう。
施設警備
施設警備とは、工場や商業施設などに駐在し、利用者の安全を守る仕事です。ショッピングモールや病院・オフィスビルなどを見回ったり、施設の入口に立って(立哨)人の出入りを監視したりします。
24時間体制で警備を行う施設では、夜勤も必要です。警備室で監視カメラの映像を見つつ、異常を見つけ次第現場に急行します。盗難や傷害事件の発見はもちろん、災害時の対応も求められる仕事です。
イベント警備
イベント警備は「雑踏警備」とも呼ばれる業務で、人が集まるイベント会場で歩行者を誘導する役割です。来場者を誘導したり会場を巡回したりして、事故や犯罪を未然に防ぎます。
人の多いイベント会場は、転倒事故が発生しやすい場所です。過去には数十人がけが・死亡した事故も発生しているため、来場者をスムーズに案内する役割が重要になります。また、自動車との接触を防ぐのも、イベント警備の仕事のひとつです。
交通誘導警備
交通誘導警備は、工事現場や大規模施設の駐車場で、自動車や歩行者の誘導を行う仕事です。自動車や通行人が多く、混雑した現場の交通をスムーズにすることで、事故やトラブルを未然に防ぐ役割を果たします。
工事が終わると、現場が変わるのも特徴です。現場によって勤務内容は多少異なりますが、大筋は同じであるため、違う現場でも経験を活かしやすいでしょう。最初に業務の流れや、誘導の方法をしっかりと覚えるのがおすすめです。
警備員バイトの給与・勤務時間
株式会社リクルートによると、三大都市圏(首都圏・東海・関西)における警備員アルバイトの平均給与は、時給換算で1,214円となっています。(※)警備の業務内容によっては、時給1,000円未満から1,500円以上の仕事までと、さまざまです。また、22時から翌日の5時に勤務した場合は、労働基準法により25%の深夜手当が追加されます。
勤務時間も、現場や業務内容によって変わります。イベント警備なら4〜5時間、施設警備や交通誘導警備なら7〜8時間が目安です。拘束時間は長めですが、1日しっかり働けば、1万円以上稼ぐこともできるでしょう。
(※)出典:株式会社リクルート|2024年6月度 アルバイト・パート募集時平均時給調査【三大都市圏(首都圏・東海・関西)】P4 https://jbrc.recruit.co.jp/data/pdf/202406_AP.pdf
警備員のバイトはきつい?働くデメリット3つ
警備員のアルバイトできついと感じるポイントは、次の3つです。
- 長時間立つことが多い
- 温度変化の影響を受けやすい
- 暇な時間が長い
事前にきついポイントを知っておけば、対策もできるでしょう。各ポイントを詳しく解説していきます。
デメリット1|長時間立つことが多い
警備員のアルバイトは、現場によらず立ち仕事が多い仕事です。出入口に立って監視する立哨(りっしょう)や、施設・駐車場内を見回る巡回などの仕事が中心となるため、休憩以外に座る時間が少なくなります。
忙しい現場では、3〜4時間立ちっぱなしになるケースもあるでしょう。しかし、近年は労働環境が見直されたため、こまめに休憩を取れる現場が増えました。また、座った状態で警備する座哨(ざしょう)を採用した現場もあります。
座哨警備を取り入れている企業の動きを知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
デメリット2|温度変化の影響を受けやすい
イベント警備や交通誘導警備は、屋外勤務が多くなるため、気温や天候の影響を受けやすくなります。夏は暑さ対策、冬は寒さ対策をしなければ、体調を崩してしまうでしょう。また、雨や雪への対策も必要です。
夏は冷感タオルや空調服、冬はカイロやコートを使って、体を守りながら勤務しましょう。
しかし、警備員の服装は会社によって決まりがあるため、勝手に変更してはいけません。以下の記事では、警備員の服装について詳しく解説しているので合わせて読んでみてください。
デメリット3|暇な時間が長い
施設警備や交通誘導警備をしていると、人通りの少ない時間は暇になりがちです。警備員に緊急要請があるケースはまれなので、暇な時間を苦痛に感じる方にとっては、仕事が辛いと感じることもあるでしょう。夜勤ではトラブル対応が少なくなるため、より暇な時間が続きます。
しかし、警備員が暇な時間は、トラブルが起こっていない時間といえます。警備員がしっかりと役割を果たせている時間でもあるため、職務を遂行できている証拠であると考えましょう。
警備バイトは楽すぎ?働くメリット5つ
警備員アルバイトのメリットは、次の5つです。
- 未経験から始めやすい
- シフトの融通が利く
- まとまった給与をもらえる
- 年齢の制限が緩い
- 条件によっては高時給を狙える
上記のポイントを魅力に感じる方は、警備員の仕事に応募してみましょう。
メリット1|未経験から始めやすい
警備員として勤務する際は20時間以上の研修を受けるため、未経験でも安心して始められます。18歳以上で心身ともに健康な方であれば、誰でも警備員としての勤務が可能です。
勤務に特別な資格が必要ないのも、魅力のひとつでしょう。アルバイトとして勤務するだけなら、資格なしでも問題ありません。しかし、警備責任者として働くには、資格が必要になります。
未経験から警備員を始めたい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
未経験でも警備員になりたい!警備会社の選び方 | 警備メディア
メリット2|シフトの融通が利く
警備員のアルバイトは、シフトの自由度が高く、希望する時間帯に働けます。1日単位で働くのはもちろん、日中のみ・夜間のみの勤務も可能です。また、同じ現場で働き続けたり、毎回異なる現場を希望したりすることもできます。
一定の収入が欲しい方は長時間、隙間時間で働きたい方は短時間と、ライフスタイルに合わせて働けるのも魅力です。アルバイトの掛け持ちをしている方でも、続けやすい仕事といえます。
メリット3|まとまった給与をもらえる
警備員のアルバイトは拘束時間が長いものの、1日働けば8,000〜1万円程度のお金を稼げます。施設警備や交通誘導警備の仕事なら7~8時間、夜勤の仕事なら12時間以上勤務できる仕事が多いため、まとまった給与をもらえるのがポイントです。
また、工事現場で工事が早く終わったり、イベントの終了時間が早まったりしても、日給は保証されます。
夜勤の仕事は25%の手当を受け取れるため、ある程度まとまった給与が欲しい方に最適です。
メリット4|年齢の制限が緩い
警備員の就業条件は、18歳以上かつ高校生でないことです。立ち仕事に耐えられる体力があるなら、60〜80代のシニア世代でも警備員になれます。老後も仕事を続けたい人は、警備員の仕事を検討してみてください。未経験でも研修を受ければ警備員として勤務できるため、活躍できるでしょう。
一方で、30歳未満で59,725人、30〜39歳で54,496人と、全国で11万人以上の若い世代が警備員として活躍しています。(※)年齢が若く、体力がある人は優先的に採用してもらえる可能性もあるため、一刻も早く仕事を見つけたい若者にもおすすめです。
(※)警察庁生活安全局生活安全企画「令和5年における 警備業の概況」P2
メリット5|条件によっては高時給を狙える
警備員はアルバイトでも、条件次第では高時給を狙えます。たとえば、夜勤の仕事なら時給が25%上乗せされるため、日中よりも多くの金額を稼げるでしょう。
また、日中の時給アップを狙いたい方には、資格取得がおすすめです。勤務先に合わせて次のような資格を取得すれば、資格手当がもらえるケースもあります。
- 施設警備業務検定
- 雑踏警備業務検定
- 交通誘導警備業検定
警備現場には最低1人、有資格者の配置が義務付けられているため、資格をもっていると責任者を任されるケースもあります。正社員登用や昇進などキャリアアップも期待できるでしょう。
以下の記事では、施設警備検定2級について詳しく解説しているので、合わせて読んでみてください。
警備員バイトに向いている人の特徴
次のような特徴をもった人は、警備員のアルバイトに向いています。
- 体力・集中力がある人
- 真面目で責任感が強い人
- コミュニケーション能力がある人
「警備員に向いている」と感じた方は、ぜひ応募してみましょう。
体力・集中力がある人
警備員の業務内容は立ち仕事が多く、体力が必要です。また、夜勤や早朝勤務に入る場合は、生活リズムが不規則になります。体調管理に気を配り、健康維持に気を配ることも大切です。
また、非常事態に対応できるよう、常に気を引き締めておく必要があります。警備員の仕事はルーティンワークと誤解されがちですが、周囲に気を配るのも重要です。細かい異変を見逃さない集中力がある方は、警備員に向いています。
真面目で責任感が強い人
警備員の仕事は、施設やイベントの来場者を守り、トラブルを未然に防ぐことです。周囲の人を守るために真面目に業務を遂行できる方は、警備員向きだといえます。
また、責任感や正義感が強い方も、警備員の適性があるでしょう。常に気を抜かず、周囲に気を配ることで、事故やトラブル防止につながります。
自分の仕事が人々の安全に関わる自覚をもち、やりがいと感じられる方にとって、警備員はうってつけの仕事です。暇な時間が続いても、モチベーションを維持できるでしょう。
コミュニケーション能力がある人
警備員といえば「黙って仕事をしている」というイメージをもつ方もいるでしょう。しかし、実際の勤務中には、コミュニケーション能力が必要な場面もあります。
施設やイベントの来場者に質問をされた場合は、丁寧に対応しましょう。警備員は、来場して初めて話す人物になる可能性が高いので、第一印象の良さや清潔感が大切です。来場者には思いやりをもって、丁寧な言葉づかいで接してください。
また、トラブルやクレーム対応の際は、相手の意図を理解し、適切に対応する能力も求められます。
警備員バイトは「施設警備」から!おすすめポイント3つ
初めて警備員のアルバイトに応募するなら、「施設警備」の仕事を選びましょう。施設警備のおすすめポイントは、次のとおりです。
- 室内で気温・天候の影響を受けにくい
- 業務負担が少ない
- 職場の人間関係を気にしなくて済む
それぞれのポイントを詳しく解説します。施設警備については、関連記事で詳しく解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
【未経験向け】施設警備に向いている人・向いていない人の特徴は?仕事内容を解説
《ポイント1》室内で気温・天候の影響を受けにくい
施設警備は、イベント警備や交通誘導警備に比べて、屋内での勤務が多い傾向にあります。屋外に出ることはまれなため、暑さや寒さ・天候の影響を受けにくく、集中して勤務できるでしょう。
空調のきいた室内で勤務できるため、屋外勤務より体力の消耗が少なく、体調を崩しにくいのも利点です。夜勤の施設警備であれば、日中よりトラブルのリスクが減るので、快適に勤務ができるでしょう。
《ポイント2》業務負担が少ない
施設警備の仕事では、重い荷物を運んだり動き続けたりする必要はありません。業務の中心となるのは、次のような仕事です。
- 立哨
- 巡回
- 出入管理
- 防犯カメラの監視
いずれの仕事も体力の消耗が少ないため、体への負担も抑えられます。災害やトラブルなど、緊急事態が起こらない限り、重労働になることはありません。年配の方でも、無理なく勤務できるでしょう。
《ポイント3》職場の人間関係を気にしなくて済む
大規模な施設の警備は、チームを組んで行います。しかし、現場によっては1人で勤務できる職場もあるため、職場でのコミュニケーションを減らしたい方にもおすすめです。
1人で勤務することで、ほかのアルバイト・社員と話し合ってシフトを決める必要もなくなります。休憩時間も好きに過ごせるため、1人で過ごすことを好む方にも向いているでしょう。
ただし、1人で勤務する現場は、緊急事態が起こっても自分で対処しなければなりません。事前にほかの現場で経験を積むか、マニュアルを読み込むなどして、対策しましょう。
施設警備の仕事に興味をもった方は、こちらから自分に合った募集を探してみてはいかがでしょうか。
警備員のバイトに合格する秘訣
自分に合いそうな警備員の募集を見つけたら、スムーズに採用されるためにも、面接を受ける前に対策をしましょう。
- 身だしなみを整える
- 大きな声ではっきりと話す
- 体力・コミュニケーション能力をアピールする
上記のポイントを詳しく解説するので、面接での態度や話す内容の参考にしてみてください。
身だしなみを整える
警備員の面接には、ある程度整った服装で行くのがおすすめです。実際には制服を着用するため私服は関係ないと思われがちですが、着こなしや服の状態を見られます。だらしない服装やシワシワの服で面接に臨むと、選考から外されるリスクもあるでしょう。
警備員として勤務する際は、清潔感が大切です。来場者が安心して話しかけられるよう、見た目を整えて勤務に臨みましょう。また、制服を洗濯するだけでなく、アイロンをかけるのも忘れないでください。
大きな声ではっきりと話す
面接官に質問された際は、はっきりと大きな声で答えましょう。返答の内容を考えすぎて声が小さくなったり、うつむき気味になったりすると、警備員の適性がないと判断される恐れがあります。
警備の業務中は、大きな声で危険を伝えたり合図を出したりする機会が少なくありません。緊急時は不特定多数に呼びかける必要もあるため、声の大きさは大切です。実際の業務で役に立つためにも、ハキハキと話しましょう。
体力・コミュニケーション能力をアピールする
見た目や話し方に問題なしと判断されれば、体力やコミュニケーション能力を示す段階となります。スポーツや武道の経験について質問されることもあるため、経験がある場合はしっかりとアピールしてください。
また、最低限のコミュニケーション能力も必要です。来場者の質問に対応できるか、丁寧な言葉づかいができるかもチェックされます。コミュニケーション能力は、面接での話し方から判断される可能性が高いため、事前に練習しておくのがおすすめです。
警備員のアルバイト選びに迷ったら、こちらの記事もチェックしてみてください。
警備会社はどこがいい?ホワイトな警備会社の6つの特徴や入社のコツを紹介
まとめ:警備員のバイトは施設警備から始めるのがおすすめ
警備員のアルバイトでは、施設やイベント会場での監視・巡回や、道路上での交通誘導といった仕事を任されます。長時間の立ち仕事であったり、過酷な環境下で勤務したりするため、きつい仕事であると思われがちです。
しかし、体力があれば未経験からでも働きやすく、年齢に関わらず働けます。また、1日に8,000〜1万円稼げる仕事もあるため、給与面の心配もありません。
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